これまでの実績年表

事業年度 主な実績
2018年 ・若者の若者によるフォーラム「Blue D-DAY」開催(以降2022年まで毎年開催) 
2019年 ・みなと基金への継続ご寄付会員「マンスリークルー」制度を始める
2020年

・「若年アーティストの創作活動サポート事業」を「北海道リスタート事業~社会的居場所を失った人に新たなつながりを(休眠預金等活用法助成)」(認定NPO法人 北海道NPOファンド)の助成を受けて実施

・「令和2年度 若者「えべつ愛」育成事業委託業務」受託。通称「EBETSUto」と呼ばれるこの事業の事務局を2024年度まで担う

2021年

・マイナビによる高校生のフィールドスタディで7校受け入れ

・明治安田生命「私の地元応援基金」に採択、コロナ禍の若者の声を記録する事業を実施

2022年

・若手作家のサポート事業をご縁として「えべつまちなかアート月間」を企画開催、以降2024年まで事務局を担う

2023年

・みなと基金の運用をご縁として「認定NPO法人D×P」との連携がはじまる

・道南で高校生の居場所づくりに取り組む「一般社団法人いとのこと」との連携がはじまる

2024年 ・「推し活は若者の孤立を防げるか? 推しからセーフティネットへ」と題した事業が「地域における孤独・孤立対策に関するNPO等の取組モデル調査」(内閣府)に採択される

みなと基金の運用実績

若い世代を応援したい方からご寄付をいただき、それをお金を理由になんらかのことを諦めざるを得なかったり、窮地に陥っている若者に給付をする「みなと基金」は、2023年から本格的にはじまった他団体連携の効果もあり、制度の狭間を埋められる基金として運用することができています。

しかし、2024年度は積み立て金額を給付金額がはじめて上回ることになり、安定的な資金の確保が今後の課題です。


各年度のおもな取り組み

2024▶声を聴きカタチでお返しする

現場の声から生まれた事業

「推し活」を切り口として若い世代の孤立を予防しよう!という一見突拍子もない企画ですが、日々の取り組みで聴かれるエピソードや一緒に企画した若者たちの情熱が感じられていたので、それがいまの時代のなにかに呼応しているのだろうなと自信を持って声を上げました。

 

まちの飲食店を「OSHI PORT」(通称:推しポ)にすることで、日々の暮らしと福祉の窓口のつなぎにする考えは、意外にも両サイドからのご理解を得ることもできました。

 

この事業では、若い世代のサポートに関わる関連機関のネットワークも同時に構築をして、日常から非日常まで、いかなる状況でも孤立しないように考えています。

このようなネットワークがありそうで意外とないことは、事前の関連機関へのヒアリングでも分かっていたため、これが恒常的なセーフティーネットに発展することを願っています。

 

参考1:推しポのはなし(みなと計画のnoteより)

参考2:推しポオフィシャルWEBサイト

「型」を完成させ次のステップへ

3年目となる「えべつまちなかアート月間」では、これまでの経験から、周遊性を高めるスタンプラリーや、1点から応募できるテーマ展会場の設置といった、応募する側も参加する側もよりハードル低く参加できる要素を取り入れました。

 

今回で最後ということもあり、恒常的な若手作家のサポートプロジェクトPOAにつなげられるように、約4か月をこの取り組みに全力投球しました。

 

結果的に、新たにPOAにご登録いただく作家さんが6名現れたことや、通年で展示にご協力いただける店舗の声も上がるなど、打った以上に跳ね返ってきた事業となりました。

 

また、「まちなかアート月間」はどこにでも転用できる手法であり、そのやり方の型をひとつ確立させレポートとして取りまとめられたことも大きいと感じています。

 

参考:「えべつまちなかアート月間2024」(オフィシャルWEBサイト)


5年越しのプロジェクトリリース

2020年に北海道NPOファンドの助成をいただき一年間実施した、若手作家創作活動サポート事業ですが、その反響の大きさに確たるニーズを感じたことや、それがご縁でえべつまちなかアート月間を開催してきたことから、満を持して永続性のある独立プロジェクト「PORT OF ARTIST」(通称:POA)として立ち上げました。

 

アートという切り口を持つことで、これまで出会えなかった若者と多くご縁をいただけたことや、展示箇所としてご協力いただける店舗との出会いがあったことは、「くらし」のなかで若者を育む仕組みを作る我々の取り組みの意味とも合致するものです。

 

切り口を特化して、日々の暮らしの延長で社会との接続を確保し続けられるようにする「現場(=くらし)至上主義」の価値が再確認されたところです。

 

 

参考:POAオフィシャルWEBサイト

 


2023▶他団体と連携しセーフティネット構築を加速させる

LINE相談「ユキサキチャット」を全国展開/D×P

着実に実績を重ねているとはいえ、「すべての若者」にアプローチするにはこの歩みでは遅すぎると感じ、志を同じにする団体との連携に積極的に取り組みはじめました。

 

10代を主とした若者の孤立を防ぐ活動を行う大阪拠点の団体「D×P」さんとは、前年度から徐々に担当者間で連携を模索しはじめ、D✕P運営の10代対象のLINE相談「ユキサキチャット」を介して、みなと基金にご相談を頂くケースが増えました。秘密保持等に充分な配慮(NDA契約を締結)をしながら、お互いの持っている強みを活かしあい若者への向き合い方の幅を広げることが出来ています。

 

若者に正面から寄り添う道南勢/いとのこ

若手作家の創作活動サポート事業で、いとのこの代表とお仕事をさせていただき、そこから両団体で事業レベル、スタッフレベルでフランクな往来が行われてきました。

 

そうした関係性の蓄積から、話しの聴き方講座を当方から提供したり、いとのことが行う高校生の居場所づくり「みちどこ」への資金提供を行ったりとより具体的な連携がはじまりました。

広い北海道では、札幌だけではなく道南、道北、道東と各エリアで中心となる団体の顔が見えることと、それらが横でつながることが重要いなります。いとのことの連携はその上でも大きな一歩となりました。

 

若手主体の独立した取り組みへ/EBETSUto

大学時代に関わるまちと長期的な関係性を創ることを目指すプロジェクト「EBETSUto」では、直接大学生をサポートするのは20代を中心としたコーディネーター陣です。

大学生に近い年齢の若者がプロジェクトの中心を担うことが、時代感覚を取り入れるためには必須と考え、事業開始当初からこのスタイルを取っていました。

 

4年度目となり、コーディネーター層をより厚くし、いずれはこのコーディネーター陣が中心にみなと計画から独立した取り組みへと発展できればと考えています。


2022▶くらしのなかへ

大学生の主体生を大事に進める/EBETSUto

3年度目となったEBETSUtoはこれまでの基礎をもとに活動を展開。基本的に参加する大学生メンバーのやりたいことをやりたいように挑戦してもらい、コーディネーターチームはそれをサポートするスタイルを取ってきています。

そのため、具体的に何をやっているの?と聴かれてもその時々で内容は大きく変わります。

こうしたスタイルが功を奏して、今では常時さまざまな複数のプロジェクトが動く事業になりました。

 

今年度の特徴は、大学生の取り組みがまちとつながり始めたことです。

商店街で夕方に行う「黄昏ラジオ体操」は新聞やTVに取り上げられ、「EBETSUtoラジオ」の議会の方々にご出演頂いた回は、議会だよりにも掲載されました。また、アルキタと連携した求人票の学生目線でのフィードバック、江別蔦屋書店と連携した学生演劇の公演など、市内企業との連携も行えるようになりました。

 

アートと社会との接続/えべつまちなかアート月間

2020年度からはじめた若手作家の創作活動サポート事業がご縁で、江別市教育委員会からお呼びかけいただき、「えべつまちなかアート月間」を始めることとなりました。

 

これまで試行的に行っていた、まちなかの飲食店などに若手作家の作品展示を、市内の約10か所で同時に約一か月展開をしました。

「わざわざ絵を観に行く」のはハードルが高いですが、日頃出入りしている場所であれば、自然と目に入ります。また、お店の人と若手作家とのコミュニケーションによって、若手作家がまちと接続することも重要なポイントです。

 

皆さんが安心して展示できるように、コーディネーターが丁寧に間に入ってつなぐ手法は、これまでの試行によって得られたことです。

 


2021▶声を聴く、声を届ける

渦中の声~コロナウィルスと若者~

このインタビュー集は、2020年11月~2021年1月にかけて行いました。背景の異なる19歳~30歳の若者8名に、コロナ禍の中での想うことを12の質問にして回答して頂きました。

 

コロナ禍の中で聴こえる若者の声は、メディアに取り上げられるものだけではなく、もっと様々なことを想い、日々を過ごしていることを体感して頂きたいとの願いから、居住地、職業、年齢など幅広い属性の若者にご協力をお願いしました。

 

様々な制約のある中、動画という形で残る手法にも関わらずインタビューにご協力して頂いた8名の若者に、感謝致します。

 

 

渦中の声~コロナウィルスと若者~はこちらからご覧いただけます

高校生フィールドワーク

いくつかのご縁もあり、マイナビの提供する高校生フィールドワークの受け入れ先としてご登録いただきました。

今年度は7校を受け入れ、1~3時間かけて3名から多いときは一学級の高校生と対話の時間を過ごしました。

これまでは大学生を中心とした20代の若者と接する機会が多く、高校生の声を聴くことはあまりありませんでした。それもあり、このフィールドワークに参加することで、リアルな高校生の声に触れられると思いました。

 

実際に受け入れてみると、これはやってみないと分からなかったと思えるほど、多くの現実に直面することとなりました。


2020▶コロナ禍でもつながりを絶やさず

若手作家創作活動サポート事業/PORTS

コロナ対策事業が多く打ち出されるなか、アート活動に対する支援策もありました。が、具体的な活動に対する支援はあっても、コロナによってアートを学んだり、創作したり、発表したりする機会を奪われた若者への視線は皆無といってよい状況でした。

そのためメンタルのバランスを崩す大学生も多くいると、美術系大学の関係者からお聴きしました。なにが出来るのか?を考えるために大学講師にヒアリングをした際に、「アートのことをアート界隈だけで解決しようと思わないこと」「他分野と連携して若者を社会と接続させること」とアドバイスをいただきました。

そこから、アートは門外漢の当法人が、「アーティストである前に一人の若者として向き合う」姿勢でこの事業を始めました。

 

100%若者による自力開催へ/BDD

若者の「いま」を体感する場として、当法人の設立初年度から始めた若者のフォーラム「Blue D-DAY」も3年度目にして、事務局から大人が離れるスタイルになりました。

 

失敗しても構わない(そもそも失敗なんてものはない)が基本のフォーラムですが、試行錯誤しながらもいくつもの分科会が生まれる過程には心動かされるものがありました。

 

こうした運営主体の移行には、これまでイベントに参加してきた若者が今度は担い手になっていきたいという希望が聴かれたことが大きく関わっています。

なにがあっても帰れるまちを/EBETSUto

今年度、江別市から委託を受けてはじまった事業「EBETSUto」は、「江別で学ぶ大学生のほとんどが卒業後まちを離れる問題」に対して、「まちから旅立つことを喜んで祝福しよー」と逆方向の発想の取り組みになります。

 

ただし、まちとのつながりをしっかり持って旅立つことが重要です。まちに自分の名前を呼んでくれる人が何人いるか?がまちへの愛着と相関することから、大学生でいる間にまちとの関わりをたくさんつくろうという内容です。

そうして旅立つと、人生のなんらかの転機に、またあのまちに戻ってみよう、あのまちとなにかやってみたいな、と思えるような関係性を細くでも長く続けられるのではないか?という仮説です。

成果が出るまで長い目で見なければならない事業に行政が取り組むことの意義を感じています。


2019▶みなと基金の運用に向けて

対外的な動きがスタート

設立間もないなか、徐々に活動を対外的にアピールし始めました。

 

まず、みなと基金の本格運用を前に、この基金へご寄付をいただく「マンスリークルー」の募集を大々的に行いました。

 

それぞれにお決めいただく金額を毎月ご寄付いただく仕組みです。一度きりのキャンペーンに比べて、毎月ご寄付を継続いただくことはハードルが高いのですが、結果的に50名以上の方からご賛同を得られ、基金の原資の基盤を構築することができました。

 

また、以前から連携関係にあったコミュニティワーク研究実践センターとは、若者の住居支援をテーマとした合同講演「文教都市であるのなら 若者を支える地域でありたいじゃないか」を開催しました。

 

 

 

 


2018▶インフラ整備

本格的な活動を前に基盤整備

設立初年度につき、みなと基金の運用に向けた各種規程や第三者委員会の設立などの基盤整備を主として行いました。

 

みなと基金は、資金を必要とする30歳以下の若者であれば、どのようなジャンルのことでも365日申請可能なものです。

対象が幅広いだけにさまざまなことを想定して給付規程を作成しておく必要があることや、それを審査するために多様な視点が欠かせないことから、委員の選定を含めて入念な準備を行いました。

 

具体的な活動として若者による若者のフォーラム「Blue D-DAY」を初開催。NPO法人ezorockが長年続けたきた「Green Day」に着想を得たもので、同法人公認の兄弟イベントとしての開催となりました。